声を機械っぽくする

作成日:2019.12.01

タグ: π&σ

はじめに

 音声合成では多くの場合、人間の声に近づけることを良しとしている。 しかし当然、機械っぽい声にも魅力は存在する。 そこで声に機械っぽさを足す方法を探し出したので紹介する。

目次

  1. 加工の過程
  2. 他音源での検証
  3. まとめ

加工の過程

 自作UTAU音源の宗条パイの声で加工の過程をみてみる。

加工前

 まずは加工する対象の声である。

音程をずらす

 元の声の音程を上下にずらす。 声にもよるだろうが、±10centずらすのがいいようだ。 UTAUではプロパティのFlagsに"t10","t-10"を加えれば可能である。 またAudacityでも、エフェクトのピッチ変更で音程差を±0.10に設定すればできる(長さが若干変化するので注意)。 今回はこれをUTAU上で、以降の加工をAudacityで行った。
 以下の2つは音程を上げ下げした声で、前者が10cent上げたもの、後者が10cent下げたものである。 これはよく聞いたら違う気がするけど、ぱっとは分からないほどの差である。

同時再生

 音程を上下にずらした2つの声を、適当にボリュームを下げて(今回の場合は3dB)同時再生する。 すると以下のような声となり、だいぶそれっぽいものとなった。

イコライザをかけて完成

 最後にイコライザで高周波数成分をカットし、中周波数成分を持ち上げれば完成である。

他音源での検証

宗和シグマ

 これまた自作UTAU音源である宗和シグマの声を加工してみる。 前者が加工前、後者が加工後である。
 最後の「です」がうまく加工されていないようであるが、他はちゃんと機械っぽくなっている。

唄音ウタ

 言わずと知れたUTAUデフォルト音源のウタさんの声も加工してみる。 元々ロボ声であるが、そんなことはどうでもいい。しゃべらせたかったからしゃべらせた。 加工して聞いてみると機械っぽさが増している感じがする。

まとめ

 元の声の音程を上下にずらしたものを同時再生したうえで、高周波数成分をカット、中周波数成分を持ち上げると機械っぽい声になる。 Audacityさえあれば加工できるので、機械っぽい声が欲しいなと思ったときは試してみてはいかがだろうか。

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