[MTGアリーナ]ダスクモーン環境 スタンダード 黒単デーモン
作成日:2024.11.04
はじめに
筆者が使用して2024年10月のMTGアリーナのランク戦で1200位以内(578位)を達成した、ダスクモーン環境のスタンダードの黒単デーモンを紹介する。 ミシック順位帯に入ってから慌てて記録を取り始めたのでそこからの戦績であるが、勝率は66.7%(40-20)であった。
デッキリスト
▼MTGアリーナインポート用デッキリスト
デッキ 21 沼 (OTJ) 282 4 アクロゾズの放(ほう)血(けつ)者(しゃ) (LCI) 92 2 鋼(はがね)と油(あぶら)の夢(ゆめ) (BRO) 92 4 不(ふ)浄(じょう)な別(べっ)室(しつ) // 祭(さい)儀(ぎ)室(しつ) (DSK) 118 4 喉(のど)首(くび)狙(ねら)い (BRO) 102 4 止(と)められぬ斬(ざん)鬼(き) (DSK) 119 3 強(きょう)迫(はく) (ONE) 92 4 大(だい)洞(どう)窟(くつ)のコウモリ (LCI) 102 3 ドロスの魔(ま)神(じん) (ONE) 82 4 苦(く)痛(つう)ある選(せん)定(てい) (ONE) 81 2 魂の洞窟 (LCI) 269 2 水(すい)晶(しょう)の岩(いわ)屋(や) (WOE) 254 2 ヴェールのリリアナ (DMU) 97 1 戦(せん)慄(りつ)の奔(ほん)出(しゅつ) (OTJ) 104 サイドボード 2 見(み)栄(ば)え損(そこ)ない (BRO) 91 1 強(きょう)迫(はく) (ONE) 92 3 除(じょ)霊(れい)用(よう)掃(そう)除(じ)機(き) (DSK) 248 1 シェオルドレッドの勅(ちょく)令(れい) (ONE) 108 2 見(み)栄(ば)え損(そこ)ない (BRO) 91 2 悪(あく)意(い)ある覆(おお)い隠(かく)し (LCI) 111 1 戦(せん)慄(りつ)の奔(ほん)出(しゅつ) (OTJ) 104 2 残(ざん)虐(ぎゃく)爪(づめ)の強(ごう)奪(だつ) (BLB) 88 1 シェオルドレッドの勅(ちょく)令(れい) (ONE) 108
特徴
1,2ターン目にハンデスを撃って除去を落とし、3ターン目に《止められぬ斬鬼》、4ターン目に《アクロゾズの放血者》でワンショット4ターンキルを決めるのが最高の動きである。
これが《止められぬ斬鬼》除去により止められても、《戦慄の奔出》(モード3)があると5ターンキルできてしまう。
また要求枚数は多くなるが、《大洞窟のコウモリ》、《不浄な別室》、《ドロスの魔神》、《アクロゾズの放血者》or《戦慄の奔出》(モード3)でも5ターンキルである。
このようにかみ合い次第でイージーウィンできる可能性があるのが魅力である。
《不浄な別室》でリソース回復はできるが長期戦はサブプランであり、ハンデスで相手の動きを鈍らせた後大きなクロックで速やかにゲームを終わらせる速めのミッドレンジという意識でこのデッキを調整して回している。
これによりアグロ、ミッドレンジ、コントロールのいずれにも五分以上で戦えるようになっていると思う。
採用カード・不採用カード
《止められぬ斬鬼》
このデッキにおいては最強の3マナアクションであるため、メインに4枚。
これが戦場にいるだけで《アクロゾズの放血者》とのワンショットを意識させることができるのが強力。単独でも大きくライフを削れるので可能な限り3ターン目に出したい。
接死をもっているため守りにも有効で、これ以外のクリーチャーがすべて飛行持ちであるこのデッキではこれで地上を止めて飛行で殴る展開も発生する。
追放除去でなければ復活するため、《ヴェールのリリアナ》の小マイナスを2回吸ってもらって他のクリーチャーを守る動きもしばしば起こる。
ちなみにお互い《止められぬ斬鬼》をコントロールしている場合、戦闘で相打ちになると先に動けるようになるのは防御側であるため、他に何もないときは殴らないのが吉。
《アクロゾズの放血者》
このデッキのシナジーの中心であるため、メインに4枚。
ほかのカードとの組み合わせが強力である。《止められぬ斬鬼》や《戦慄の奔出》であればワンショット、《不浄な別室》であれば4点ルーズ2点回復、《ドロスの魔神》や《祭儀室》から出るトークンであれば1撃12点である。
単独だと少し心許ないが一応4点クロックではあるし、2枚目が来れば出したターンは8点、次のターンは16点出すことができる。
ブロッカーとしては4マナのスペックではないため、他のカードで攻めの形を作ってから出すようにしたい。
《ドロスの魔神》
後述するがサイド後に抜くマッチアップがあるためメインに3枚としている。
それでも3枚にするか4枚にするかはだいぶ悩ましく、ハンデスを1枚こちらにするのはありだと思う。
4ターン後に敗北するデメリットは、6/6のスタッツで3回攻撃を通せるのであれば問題にならないだろうが、
《ミストムーアの大主》など飛行持ちのチャンプブロッカーが十分出てくると予想される場合は気をつけなければならない。
また《グリッサ・サンスレイヤー》の攻撃を通してしまうとカウンターを取り除かれて次のアップキープに負けてしまうため、《グリッサ・サンスレイヤー》擁するゴルガリ相手にはサイド時に1,2枚抜く。
対戦相手のクリーチャー死亡時に2点ルーズは《戦慄の奔出》のモード1と相性がよく、特に相手に3体以上いる場合は1:2交換したうえで4点以上のルーズが発生する。
また《戦慄の奔出》をモード1と3で唱えた場合、ライフが切り捨て半分になってから《ドロスの魔神》の誘発が解決されるので、突然勝ちになることもある。
同じように《止められぬ斬鬼》の攻撃が通ったうえで対戦相手のクリーチャーが死亡した状況では、《止められぬ斬鬼》の誘発の解決が先になるようにすればライフ半分の後に2点ルーズとなる。リーサルの見逃しには気をつけたい。
《不浄な別室 // 祭儀室》
リソースを稼ぎつつ詰めにも使えるため、メインに4枚。
2点ルーズが痛く1ターンパスになりかねないため、アグロ相手には3,4枚サイドアウトする。
デーモンデッキを組む意義になるカード。リソースを稼ぎながらライフレースを有利にできるポテンシャルがあるのは破格である。
出したデーモンを処理され続けて2点ルーズの積み重ねで負けることも極稀にあるが、そのデメリットを凌駕する強さ。
このカードだけ見れば《黙示録、シェオルドレッド》もよさそうであるが、攻めを意識したこのデッキでは回避能力持ちの《ドロスの魔神》の方が優先されるだろう。
《戦慄の奔出》
メインに1枚、サイドに1枚。ランプやコントロール、横並びするデッキ相手に追加でサイドインする。
《アクロゾズの放血者》がいればモード3でワンショットとなるが、単独だといまいちであるのと初手に引きたくはないため、メインでは1枚の採用にとどめている。
不利でも《アクロゾズの放血者》が場に残っていればワンチャンス生まれたり、有利でも逆転する時間を与えず即勝ちになったりするため、不採用にはしないほうがよいと思っている。
《止められぬ斬鬼》とのワンショット以外で《アクロゾズの放血者》がいればリーサルになるときはこのカードでもリーサルになるため、5枚目以降の《アクロゾズの放血者》といえるかもしれない。
1つ目のモードは《ドロスの魔神》と相性がよいし、最悪布告除去として撃つこともある。
2つ目のハンデスモードは使いどころが難しい。《偉大なる統一者、アトラクサ》が着地した返しに1つ目のモードと合わせて撃ってうまく返した雰囲気を出したことはある。
《ヴェールのリリアナ》
メインに2枚。アグロに対してはサイドで他の除去と入れ替える。
ミッドレンジ相手には布告除去として、コントロール相手にはハンデスや除去を吸ってもらう用途として使用する。
除去
- 《喉首狙い》 メイン4枚
- 《苦痛ある選定》 メイン4枚
- 《見栄え損ない》 サイド4枚
- 《シェオルドレッドの勅令》 サイド2枚
- 《悪意ある覆い隠し》 サイド2枚
環境によってメイン・サイドの枚数は入れ替える。アグロは苦でなかったのとあまり当たらなかったため範囲が狭い1マナ除去はサイドとしている。
《喉首狙い》はメイン4枚は当然として、《心火の英雄》、《苔森の戦慄騎士》、《止められぬ斬鬼》など追放したいクリーチャーが多いため《苦痛ある選定》をメインから4枚投入している。
3マナ以下のクリーチャーはほとんどのデッキで出てくるため腐りづらい点もよい。
1マナ除去が《切り崩し》ではなく《見栄え損ない》であるのは、《心火の英雄》を意識してのことである。
《止められぬ斬鬼》には当たらないが、1,2マナのクリーチャーが複数種類いなければサイドインしない上、できれば《苦痛ある選定》を当てたい相手であるので問題にはしていない。
もちろん2/3や1/4で除去したいクリーチャーが環境に増えれば《切り崩し》に置き換える。
《シェオルドレッドの勅令》はプレインズウォーカー、特に《ヴェールのリリアナ》対策としてサイドに入れている。
このデッキは序盤にクリーチャーを出さないこともそれなりにあり、相手の《ヴェールのリリアナ》が定着してしまいがちなためメインから入れるべきなのかもしれない。
《悪意ある覆い隠し》は召集などタフネス2以下が横並びするようなデッキに対してサイドインする。
エンチャントに触れる《萎縮させる責め苦》を採用していないのは、エンチャントが問題になる前に勝ちに行きたいデッキだからである。
ハンデス
- 《強迫》 メイン3枚 サイド1枚
- 《鋼と油の夢》 メイン2枚
- 《大洞窟のコウモリ》 メイン4枚
- 《残虐爪の強奪》 サイド2枚
コントロール相手には除去を減らしてフル投入する。
1マナのハンデスは除去を抜きに行きたいので《強迫》はメインから3枚入れている。相手の動きを阻害する目的で《鋼と油の夢》も2枚採用している。
《望み無き悪夢》は2点ライフルーズが《アクロゾズの放血者》とかみ合うが、相手の手札を見てこちらが選んで捨てさせたいため不採用である。
《毒を選べ》といったエンチャントの布告除去が環境に増えてきた場合は、《不浄な別室 // 祭儀室》を守るために採用が検討されるだろう。
2マナのハンデスは《大洞窟のコウモリ》と《残虐爪の強奪》を採用している。
《大洞窟のコウモリ》は除去されると取り返されてしまうが、その前に勝てば問題ない上に5ターンキルに貢献するルートがあること、布告除去避けや最悪チャンプブロッカーになること、絆魂が《不浄な別室》のデメリットを緩和してくれることから4枚の採用としている。
《残虐爪の強奪》の枠は他のものも考えられるが、追放してくれる点とこちらのリソースがなければ贈呈で動きを確保できる点を買ってこれにしている。
《除霊用掃除機》
墓地対策のためにサイドに3枚。アゾリウス眼魔やその他リアニメイト、墓地利用デッキ相手にサイドインする。 《止められぬ斬鬼》や永劫サイクル対策のサイドインはしていなかったが、2種8枚以上ありそうならばサイドインも検討できると思う。
土地
- 《沼》 21枚
- 《魂の洞窟》 2枚
- 《水晶の岩屋》 2枚
4ターン目に《アクロゾズの放血者》を出す動きを阻害しないようにクリーチャー用の黒マナが出せない無色土地は2枚に抑えているが、もう1枚採用しても問題にはならないとは思う。
参考までにちょうど4枚の土地があるとき《アクロゾズの放血者》が出せない確率は無色土地2枚のとき2.00%、3枚のとき5.65%、4枚のとき10.63%、5枚のとき16.64%である。
無色土地は占術でドローの質を上げられる《水晶の岩屋》を採用した。
速やかに勝ちに行きたいデッキであるため、マナが余ったときに起動する《噴水港》などとはしなかった。
《魂の洞窟》は《アクロゾズの放血者》を出すのを阻害せずに4マナデーモンたちを打ち消しから守れるため採用した。
その他不採用カード
《重傷》は《アクロゾズの放血者》と組み合わせればワンショットであるが、その目的であれば《戦慄の奔出》の方が汎用性があり、ワンショットのためにかかるマナも変わらないため不採用とした。
《ギックスの残虐》は2章で《戦慄の奔出》を持ってきて3章で《アクロゾズの放血者》を戦場に戻せばワンショットが成立するため一時期採用していたが、長期戦になってしまった後のカードでありデッキのゲームレンジと合わないため抜けていった。
《悪魔的助言》はこのデッキではほとんど昂揚を達成しないため不採用である。
マッチアップ
様々なデッキと当たるのでざっくりと述べる。
赤系アグロ
《止められぬ斬鬼》で攻撃を止められる上、サイド後に除去を大量に入れられるため有利なマッチアップ。 出てくるクリーチャーをしっかり除去できるため、特にサイド後の《残響の力線》はまったく怖くない。 《心火の英雄》もサイド後に2種8枚(《見栄え損ない》、《苦痛ある選定》)対策カードをとれるため問題にならない。 《ウラブラスクの溶鉱炉》は出てしまうと対処できないが、どのハンデスでも落とせることと《ドロスの魔神》でトークンを止められる上に毎ターン勝手に2点ルーズしてくれる友情コンボがあるため問題ないと思っている。
その他アグロ
単体除去で対処できる程度の展開しかしてこないのであれば少し有利だと思う。あまり当たらなかったのでよくわからない。
アゾリウス眼魔
メインは《苦痛ある選定》を4枚、《鋼と油の夢》を2枚とっている分少し有利か。サイドは《除霊用掃除機》も入れられるので有利。相手も妨害手段が豊富で長引きがちなのだけ面倒。
召集など横並びするデッキ
相手の動きがよいと対処しきれないが悪ければ勝てるマッチアップであると思う。少し不利ではあるがあまり当たらなかったのでサイドの対策も控えめ。また流行りだしたら《悪意ある覆い隠し》系をサイドに増やしたい。
ミッドレンジ
4ターンキルや5ターンキルが狙える分少し有利であると思う。
ゴルガリの場合は《グリッサ・サンスレイヤー》を対処できないと《止められぬ斬鬼》が止まったり《不浄な別室》が壊されたり《ドロスの魔神》のカウンターを取り除かれたりするためデッキの大半が機能不全になってしまう点に注意する。
ディミーアの場合は《フェアリーの黒幕》で《不浄な別室》にただ乗りされてしまうことに気を付ける。これを含めて小さいクリーチャーが多いのでサイド後は《見栄え損ない》を2,3枚入れる。
その他はあまり当たらなかったのでよくわからないが、大きな問題はないだろう。
ミラー
記録を取ってから複数回戦った中では負け越した(2-3)唯一のマッチアップ。
ミシックに上がる直前くらいにやたらとミラーマッチが発生したときも負けが多かった記憶がある。
どちらがよりよいハンドでキープできたかの勝負で実力要素は薄いと思っているので運が悪かっただけだろう。
コンボ・リアニメイト
ハンデスで妨害できる分有利。相手が自分の動きに専念するのであれば4ターンキルや5ターンキルが発生することもあるだろう。
ランプ・コントロール
五分くらいになるよう速めにゲームを終わらせる調整をしている。
相手が除去をどれだけ持っているか、自分がどれだけ能動的に動けるかにかかっている。
ロングゲームになると非常に苦しいので、ハンデスで除去を落としたうえで速攻で勝ちに行きたい。
《太陽降下》等の全体除去は撃たれる前に勝てるハンドであれば問題にならないので、ハンデスの際には考慮したい。
おわりに
本記事ではダスクモーン環境のスタンダードの黒単デーモンを紹介した。
ファウンデーションズで環境がガラッと変わる前に一度使用してデーモンの虜になってはいかがだろうか。
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